中央線ドロップス/元町夏央

連作短編集。通常の恋愛ものがひとつもない。あねおともそうだがなにか一要素いれたくなるのか。
一つ目と二つ目の短編は両方既に恋愛関係が終わってしまったカップルの話だが、二つ目に出てくる男が熊の姿をしていて面白い。主人公視点で熊さんなのかとおもいきや普通に熊なのかよ! という。
全体に、良い関係には時間の制限があるよ、っていう考え方が通底しているようだ。そのことは写真とる男が出てくる最後の話にうまく象徴されているような気がする。とくに最後の1ページ。ただし終りを強調することで恋愛の期間を美化していくというのではなく、ただ終わっていくよっていう感じ。だからわかりあえなさを描いてるのにほんわかしている。ほんわかせつない感じ。

中央線ドロップス (アクションコミックス)

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