ジャック・ロジエ『新学期』『フィフィ・マルタンガル』

日仏でみたロジエについて軽く。

・『新学期』は最高。主人公の男の子が、川に投げ捨てた鞄を下流まで追っていき、そこでついでにカワヘビをつかまえて教室に戻ってくる話。結局戻ってくるというのがこの映画のかわいいところだし、ロジエ。彼の映画は常に終わりのあるヴァカンスを扱っているが、最初期のこの映画でもそうだった。

・『フィフィ・マルタンガル』は役者の台詞忘れと諍いのため失敗するが、ドタバタで面白くなる舞台の話。ここには休暇も水辺もなし。しかしロジエの映画の即興性の系譜を継ごうとしたのだろうとは解釈できる。映画の即興性を映画内舞台に押し込んでメタ的な構造を獲得しているが、逆に外枠は強固になっている気もする。率直に言うと、他の彼の作品ほどのすばらしさは無いかなと思った。

といってはみたが、実は無字幕で会話の内容がわからなかったのだった。とくにマルタンガルの前半の会話がわからないのがきつかった。なのでこの記事全部ウソ。メーヌ・オセアンにも出てたリディア・フェルドが歳とらなすぎで怖かったのは本当です