Samurai Son/KISSvsももいろクローバーZ

(つべにフル音源がなかったのでKISS公式のメイキング)

サムライ・サン(侍の子)
from夢の浮世で咲いてみな(2015, King Record)


飛行機で東京、
日出づる国へ
ラジオから俺の歌が聴こえる
歌は銃弾のように心を撃ち抜いた


(一、二)
大阪が呼んでいる
(三、四)
俺の名前を呼んでいる
(五、六)
落ちていくから受け止めろ
(七、八)
俺は二度と同じ俺にはならない


猫の目で
とびきり賢く
頭を上げて
(進め将軍)
目を覚ませ
メイクして
踊るのさ
(進め将軍)


用意はいいか、ショウが始まる
逃げられない、お前も知ってるものからな


(感じるか)
(感じるか)
感じるぞ


俺をサムライ・サンと呼べ
境界を踏み越えてこちらのものに手を出せば
災厄の始まりだ


銀座の通りを歩き
レキシントンクイーンで夜を過ごす
日が昇るまで踊るのさ
おかしくなっちまうだけ
わかるだろ


(一、二)
京都の寺が
(三、四)
俺の名前を呼ぶ
(五、六)
声が呼ぶんだ
(七、八)
俺は二度と同じ俺にはならない


猫の目で
とびきり賢く
頭を上げて
(進め将軍)
目を覚ませ
メイクして
踊るのさ
(進め将軍)


後悔無しに人生を生きる
逃げられない、お前の忘れられぬものからは


(感じるか)
(感じるか)
感じるぞ


俺をサムライ・サンと呼べ
境界を踏み越えてこちらのものに手を出せば
災厄の始まりだ


逃げたら最後勝つことはない
遺産はみなの前に置いて行け
戦え 戦いが終わるまで


照明が落ちると
音だけが、脳の中で金切り声を上げる
音楽を始めよう
熱狂する俺の心
人生はもう以前とは違う


俺をサムライ・サンと呼べ
境界を踏み越えてこちらのものに手を出せば
災厄の始まりだ


逃げたら最後勝つことはない
遺産はみなの前に置いて行く
俺は戦う 戦いが終わるまで

去年はなんだったのだろうか。ゾンビのように暮らしていた。映画をたくさん観た。
ももクロのライブにも行っている。生前の行動を繰り返している。KISS版新曲の訳詞がCDについていないので訳しておく。いつも貼る曲と雰囲気がだいぶ違う。訳していて気づいたのだが、歌詞に登場するディスコ、レキシントン・クイーンは今は別の名前で営業している。ポール・スタンレーもまた、記憶の中の東京を彷徨うゾンビなのだろうか。関係ないが、ゾンビ感がある活動をする人たちとそうでない人たちがいるよなと思った。

A Rose for Emily/The Zombies

フォークナーの短編に同じタイトルがあるがあまり関係ない

from Odessey and Oracle(1969, CBS)

ついに夏が来た
どんよりと曇る空
エミリにバラを捧げるものはない


エミリは花が育つのを眺めている
恋人たちは行き来して
エミリのバラを摘んで互いに捧げあう
エミリへのバラはない


エミリ、わかるだろ
どうしようもないんだ
愛はそこら中にあるけれど
君のはない


彼女のバラは萎れてきた
エミリは自尊心をどうにか保っている
でなければ痛みに耐え切れない


年月は過ぎていく
エミリも年をとり死ぬだろう
庭のバラも枯れてしまい
墓前に一つさえ残らない
エミリへのバラはない


エミリ、わかるだろ
どうしようもないんだ
愛はそこら中にあるけれど
君のはない


彼女のバラは萎れてきた
エミリは自尊心をどうにか保っている
でなければ痛みに耐え切れない


年月は過ぎていく
エミリも年をとり死ぬだろう
庭のバラも枯れてしまい
墓前に一つさえ残らない
エミリへのバラはない


The summer is here at last
The sky is overcast
And no one brings a rose for Emily


She watches her flowers grow
While lovers come and go
To give each other roses from her tree
But not a rose for Emily...


Emily, can't you see
There's nothing you can do?
There's loving everywhere
But none for you...


Her roses are fading now
She keeps her pride somehow
That's all she has protecting her from pain


And as the years go by
She will grow old and die
The roses in her garden fade away
Not one left for her grave
Not a rose for Emily...


Emily, can't you see
There's nothing you can do?
There's loving everywhere
But none for you...


Her roses are fading now
She keeps her pride somehow
That's all she has protecting her from pain


And as the years go by
She will grow old and die
The roses in her garden fade away
Not one left for her grave
Not a rose for Emily...

In the Land of Grey and Pink/Caravan

ドラッグの歌だけれど、曲調にも歌詞にも変な明晰さを少し感じる。和訳は無理やりしたので原文もつけておいた。
In the Land of Grey and Pink(Deram Records, 1971)

In the Land of Grey and Pink
灰色とピンクの地で


In the land of grey and pink where only boy-scouts stop to think
They'll be coming back again, those nasty grumbly grimblies
And they're climbing down your chimney, yes they're trying to get in
Come to take your money - isn't it a sin, they're so thin ?
They've black buckets in the sky, don't leave your dad in the rain
Cigarettes burn bright tonight, they'll all get washed down the drain


灰色とピンクの土地で ボーイスカウトだけは立ち止まって考える
奴らはすぐに戻ってくる いやらしいあのグランブリ・グリンブリ*1
奴らは煙突を登って来てる そう、中に入りこむ気なんだ
金を盗みに来てるのさ そりゃ犯罪だろう あいつらそんな細いのか
奴ら空に黒いバケツをずらり 父親を雨に濡れるままにしちゃいけない
今夜タバコは真っ赤に燃えて みんな排水溝に洗い流されていく 


So we'll sail away for just one day to the land where the punk weed grows
Won't need any money, just fingers and your toes
And when it's dark our boat will park on a land of warm and green
Pick our fill of punk weed and smoke it till we bleed, that's all we'll need
While sailing back in morning light, we'll wash our teeth in the sea
And when the day gets really bright, we'll go to sea drinking tea


だから僕らは船出する たった一日だけの旅 パンクウィード*2の生える島
金なんかいらない 指とつま先があればいい
まだ暗いうち 暖かい緑の島にボートは停まる
草を摘んだら鼻血が出るまで吸いまくれ 肝心なのはそれだけさ
朝日に照らされ帰路につき 海水で口をすすごう
陽射しが強くなる頃僕ら 茶を飲みながら海を行く


So we'll sail away for just one day to the land where the punk weed grows
Won't need any money, just fingers and your toes
And when it's dark our boat will park on a land of warm and green
Pick our fill of punk weed and smoke it till we bleed, that's all we'll need
They've black buckets in the sky, don't leave your dad in the rain
Cigarettes burn bright tonight, they'll all get washed down the drain


だから僕らは船出する たった一日だけの旅 パンクウィードの生える島
金なんかいらない 指とつま先があればいい
まだ暗いうち 暖かい緑の島にボートは停まる
草を摘んだら鼻血が出るまで吸いまくれ 肝心なのはそれだけさ
奴ら空に黒いバケツをずらり 父親を雨に濡れるままにしちゃいけない
今夜タバコは真っ赤に燃えて みんな排水溝に洗い流されていく

*1:少し綴りは違うがピンク・フロイドの地の精the gnomeという曲には、グリンブル・グランブルGrimble Grumbleという小人が出てくる

*2:大麻の隠語かと思ったが、この曲以外に特に用例は無さそう

風立ちぬ

・結構前に観た。羅列的にメモ。
・でもやるんだよ、の映画。どんな事態が起こっていようとやるべきことをする、そしてそれが二郎にとっては美の追求であった。そういう映画の割りには、動画自体の美しいシーンをあまり思い出せない。脚本を放棄して絵の美しさだけを追求していた宮崎駿のアニメ作りが、ここにきて宮崎の主張そのものと現実に縛られて別のものを求めてしまったのではとも感じた。夢の中ではもうすこし暴れても良かったのではないか。そしてメフィストフェレスとしてのカプローニ、あるいは夢、の悪魔性があまり絵からは感じ取れないのが悔しかった。それは歴史自体と最後の墜落した戦闘機の積み上がったシーンで感じるべきだったのかもしれない。二郎の自覚のあるエゴイズムは、堀辰雄風立ちぬ」の主人公のそれと似ているが宮崎のほうが力強い。主人公のエゴイズムに共犯的に寄り添うという意味では、小説の節子もアニメの菜穂子と似た行動をとっているが、やはりここも宮崎の菜穂子のほうが力強い。宮崎駿が言いたいことを言っている点、そして彼の分身の二郎に庵野秀明が声をあてている点にも心を動かされる。結婚式で差し出したおちょこの中に酒が注ぎ込まれるシーンを覚えている。底にある赤い絵付けが波うつ酒の中にふっと溶けて、また元に戻った。虹彩がくるくると回転するドイツ人の異物感が良かった。
・最後の菜穂子の台詞、絵コンテでははじめ「生きて」ではなく、「来て」だったらしい。後者のままだったらエンディングの荒井由実ひこうき雲」は本当にピッタリだと思う。映画としては、生きてのほうが凄まじいので良いと思う。